ロバート・ロドリゲス監督の『ヒプノティック』は、カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニングで初めて上映され、今回ついに映画館で公開される。主演はベン・アフレック、ウィリアム・フィクトナー、アリス・ブラガ。脚本はマックス・ボレンスタインと ロバート・ロドリゲスの共同執筆で、強盗、娘の失踪、政府の謎の極秘プログラムが絡む複雑な事件に巻き込まれる刑事の物語を描く。公開は8月23日。
ヒプノティック』は、一連の大規模強盗事件を解決しようと決意した刑事の冒険を描く。捜査の過程で、彼は失踪した自分の娘が事件に深く関係していることを知る。さらに、政府の奇妙な秘密計画も関係しているようだ。率直に言おう、『ヒプノティック』はとてつもなくくだらない。ロバート・ロドリゲスの新作は、『インセプション』と『マトリックス』を掛け合わせたような作品だが、どちらの偉大さにも到達していない。
存在感のない演技、2000年代からそのまま持ってきたようなビジュアル、魂のこもらない音楽、ばかばかしい台詞を除けば、なによりも物語の矛盾が私たちを終わらせる。「苦しみは心を目覚めさせる」と、ベン・アフレック演じる主人公は言う(これまで以上に不在で、セリフを演じる代わりにつぶやくことにしている)。
そう、お気づきのように、催眠術は筋書きの中で重要な役割を果たすが、首尾一貫した物語の基本である、以前に設定されたルールを決して尊重しない。この催眠術は、登場人物たちが主張するように、話すことでしか機能しないのだが、結局は『X-MEN』のチャールズ・エグゼビアのように、頭蓋骨に指を当てることで発動する超能力になってしまう。これはほんの一例に過ぎないが、B級映画としてスタートしたこの映画は、ナンセンスに傾きがちだ。だから、夏の超大作を期待せず、『ヒプノティック』はZシリーズのファンにアピールするちょっとした事故映画として見るのがいいだろう。
ロバート・ロドリゲスは『催眠術師』の直前に『アリータ:バトル・エンジェル』を監督しているが、『アリータ:バトル・エンジェル』には前作のような演出のアイデアはなく、無計画な印象を受ける(催眠術から現実への移行は、素晴らしい映像的アイデアを生み出せるはずなのに、単純な超破壊的カットで行われている)。決して楽しいものではなく、映画は最後の大暴露で完全に私たちを失うことになる。幸いなことに、『催眠術』は少なくとも1時間半という長さには良識がある。
2024年8月に映画館で公開される映画は?
映画館で楽しいひとときを過ごしたいなら、2024年8月の公開作品をまとめてご紹介しよう。家族や友人と楽しめる作品が盛りだくさんだ。 [続きを読む]映画:2024年5月9日 木曜日 今日はどんな映画を見るべき?
今日はどの映画を観ようか迷っていますか?映画シーンは成長を続けており、お近くでご覧いただける作品をたくさんご用意しています。 [続きを読む]