ポール・シュレイダー監督『オー・カナダ』：感想と予告編

カンヌ国際映画祭 オフィシャル・コンペティション部門に出品されたポール・シュレイダー監督の『オー・カナダ』は、野心的だが不可解な映画である。多作な監督であるポール・シュレイダーは、マーティン・スコセッシ（『タクシードライバー』、『レイジング・ブル』、『A Tombeau Ouvert』）からブライアン・デ・パルマ（『Obsession』）まで、大物監督たちのために脚本を書いたことでも有名だ。

ここ10年来、低予算映画で 高い評価を得てきたポール・シュレイダー監督が、再び謎めいた 小品で登場する。アメリカン・ジゴロ』以来44年ぶりに監督に復帰したリチャード・ギア演じるレナード・ファイフが、癌の末期でこの世を去ろうとする姿を描いた失敗作だ。死と彼が遺した遺産に直面したアーティストをどう表現するか--そして何よりも、手遅れになる前に真実を再構築するには？

ベトナム戦争への参加拒否から、その後のカナダでの政治亡命、左翼政治への傾倒、息子との再会の失敗を経て、死にゆく男は、かつての教え子たちによるインタビューで 若き日の思い出を回想する。

昨年亡くなったアメリカ人作家 ラッセル・バンクスの著書『Foregone』（1997年の『Affliction』以来2度目の映画化）を映画化したこのインタビューは、彼の妻でありプロデューサーでもあるユマ・サーマンが証人となって、1968年以降の彼のありのままの真実と個人的な物語、私生活と公的な生活を合わせて語るという、映像化された告白の形をとっている。

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現実には、彼の記憶は服用している抗がん剤によって混濁しており、観客である私たちや、それを病気のせいにしている彼の妻は疑念を抱く。

残念なことに、時代の交錯、論理的な時系列を無視した時間の跳躍、 ジェイコブ・エロルディ（若き日のレナード・ファイフを演じた作家映画の新しい寵児）主演シーンでのリチャード・ギアの登場、断片的な編集は、我々を含め、誰もが混乱するには十分だ。

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