映画:エキストラはなぜ話しているふりをするのか?

発行元 Julie de Sortiraparis · 更新日 2026年10月25日午後06時35
カフェやレストランのシーンでは、エキストラは声を出さずに口を動かすことがある。会話とざわめきを別々に作り込むための撮影上の指示だ。

画面では、カフェは会話でにぎわっているように見える。だが撮影中、隣のテーブルに座る人々は声を出さずに会話のふりをすることがある。この指示により、後から分離しにくい声が混じることなく、手前にいる登場人物の台詞を収録できる。

米国のキャスティング会社Central Castingは、エキストラ向けのアドバイスでこの手法を説明している。会話をしているように見せながら、台詞の録音を妨げないことが目的だ。口を動かし、相手役に反応し、動作を続けることで、やり取りが無言のままでも、セットに活気が生まれる。

この仕事には、継続性も求められる。助監督が動きや動作を指示し、エキストラはそれをテイクごとに再現できなければならない。背景で交わされる会話も、リズムや画面内での位置が決められた、演出の一部だ。一見自然に見えるそのやり取りは、繰り返し再現できる身ぶりに支えられている。

映画で聞こえるざわめきは、別途収録することができる。Central Castingによると、群衆のざわめきを作り出すため、ポストプロダクションで人々を集め、即興で会話してもらうことがある。英語圏では、こうした人々の集団はwalla group(ワラ・グループ)と呼ばれる。そのため、背景の声は、画面に映る人物の台詞と同時に収録されていなくても、ほかの音響要素と組み合わせることができる。

エキストラの声や音も、撮影現場で実際に収録されることがある。Quentin Reynaud監督作『5ème Set』の音響制作についてAssociation française du son à l’imageが公開した記事では、拍手や反応、会話を収録するため、観客席にマイクを設置したと制作チームが説明している。また、エキストラを使って長尺の環境音も収録。身ぶりで指示を出し、観客の盛り上がりに変化をつけた。こうして収録された音は、その後の音響編集に活用された。

したがって、静寂が求められるかどうかは、その時点でスタッフが何を録音しようとしているかによって異なる。会話が中心のシーンと、群衆の反応を収録するテイクとでは、同じ指示にはならない。エキストラもこの演出に参加する。彼らの演技が映像に臨場感を与える一方、声は別の録音で収録されることもある。

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