アイアン・メイデンのパリ・ラ・デファンス・アリーナ公演、停電で混乱

発行元 Caroline de Sortiraparis · 写真: Caroline de Sortiraparis · 更新日 2026年6月24日午前12時29
アイアン・メイデンがパリ・ラ・デファンス・アリーナで再びコンサートを開くにあたり、すべてが最高の公演になるはずだった。残念ながら、運命は別の展開を選んだ。英国のバンドがヒット曲「2 Minutes to Midnight」を演奏していたところ、突然の全館停電により、ヨーロッパ最大の屋内会場は完全な暗闇に包まれた。コンサートが再開されるまでには、1時間待たなければならなかった。現場にいた私たちが、その模様をお伝えする。

これは、ベーシスト兼作曲家のSteve Harrisが結成したバンドの結成50周年を祝う、Iron Maidenの壮大なツアー「Run For Your Lives」を象徴する公演となるはずだった。2025年5月25日にハンガリーのブダペストで幕を開けたこの英国のバンドによる大規模なツアーは、来る11月25日に日本で幕を閉じる予定だ。

すでに2025年7月にパリ・ラ・デファンス・アリーナ で2公演を行っていたIron Maidenは、2026年6月22日月曜日、首都に戻り、ヨーロッパ最大の屋内会場で再びライブを開催することを決めた。今回は少し特別な公演だった。というのも、首都でのこの一夜限りの公演は撮影されていたのだ。「最高のステージ演出と、パリがいつも私たちに見せてくれる素晴らしい観客を楽しむため、屋内スタジアムを選びました」と、バンドは昨年9月18日にSNSに投稿していた。この公演では、フロア内での携帯電話の使用も禁止されていた。

ヨーロッパ各地から集まったファンは、この唯一無二のイベントに参加できることにひときわ胸を躍らせていた。スウェーデンのバンド、Evergreyが前座を務めた後、予告どおり20時50分にIron Maidenのショーが始まった。巨大スクリーンには映像が映し出され、ロンドンの街並みからパリへと観客を誘い、有名なエッフェル塔も登場した。観客の歓喜の叫びに迎えられ、Iron Maidenがパリ・ラ・デファンス・アリーナのステージに登場。昨年と同じく、「Murders in the Rue Morgue」でセットをスタートさせた。続いて「Wrathchild」、そしておなじみの「Killers」が演奏された。手に斧を持った巨大なエディがステージに現れると、ファンは喜びを爆発させた。

月曜夜、絶好調のバンドは「 Phantom of the Opera」に続き、轟音の「 The Number of the Beast」を披露。さらに、いくつかの火花を散らす演出が曲を盛り上げた。ここまでのセットリストは昨年と同じだったが、Iron Maidenは「Infinite Dreams」を演奏して観客を驚かせた。同曲は6月19日のHellfestでも披露されている。

定番曲「Powerslave」でファンを沸かせたIron Maidenは、続けてヒット曲「2 Minutes to Midnight」を歌い始めた。だが残念ながら、バンドがこの曲を最後まで演奏することはなかった。コンサートが始まってまだ1時間もたたないうちに、広範囲にわたる停電が発生し、会場は真っ暗に。やがて口笛が聞こえ始め、ファンの多くは何が起きたのか分からず戸惑った。10分ほどして会場の作業灯が再び点灯したものの、ステージは依然として真っ暗。音も照明も映像もない。すると、会場のある地区で停電が発生しており、原因は現時点では分かっていないとのアナウンスが流れた。しかし、観客からはすぐに猛暑や酷暑を原因とする声が上がった。あぜんとして顔を見合わせるファンもいれば、水分補給に向かうファンもいた。また、停電がどれほど続くのか分からず、会場を後にする人もいた。

Iron Maiden à Paris La Défense Arena : une coupure d'électricité perturbe le concertIron Maiden à Paris La Défense Arena : une coupure d'électricité perturbe le concertIron Maiden à Paris La Défense Arena : une coupure d'électricité perturbe le concertIron Maiden à Paris La Défense Arena : une coupure d'électricité perturbe le concert

結局、コンサートが再開するまで1時間待つことになった。しかし、会場の熱気はすっかり冷めてしまっていた。一方、ブルース・ディッキンソンは、会場に課されている門限のため、コンサートは23時30分に終了するとファンに告げるという重い役目を担った。アイアン・メイデンのボーカリストはかなり腹を立てている様子で、ベルシーの会場のほうが好みだと、はっきり口にするほどだった。

しかし、イギリスのバンドの意気込みをくじくには、まだまだ足りない。ショーを最後までやり遂げる決意を固めたアイアン・メイデンは、豊富なディスコグラフィーから「Rime of the Ancient Mariner」などの代表曲を続け、さらに外せない「Run to the Hills」を披露。観客は声を合わせて歌い、アイアン・メイデンと一体となってこの瞬間を味わおうとする熱気と生きる喜びを取り戻したようだ。まさに電池で動くようなブルース・ディッキンソンは、ステージの端から端まで駆け回る。一方、スティーヴ・ハリスはベースで観客を指し示すこともいとわず、ヤニック・ガーズはアンプの上で軽くストレッチをしてから、小刻みなステップを踏み続ける。

続いて「Seventh Son of a Seventh Son」、そして「The Trooper」が演奏され、Eddieが再びステージに登場。今度は英国陸軍でおなじみの赤いチュニックをまとっている。同じ頃、Bruce Dickinsonがイングランド国旗、続いてフランス国旗を掲げると、観客は歓声を上げ、熱狂は衰えることがなかった。

もうすぐ運命の23時30分。しかしアイアン・メイデンは、プロ意識を貫いて演奏を続ける。続いて披露されたのは「Hallowed Be Thy Name」。そこでは、檻に閉じ込められ、死刑を宣告された ブルース・ディッキンソンの姿が見られる。最後はヒット曲「Iron Maiden」で締めくくることを、スティーヴ・ハリス、デイヴ・マーレイ、エイドリアン・スミス、ブルース・ディッキンソン、ヤニック・ガーズ、そして サイモン・ドーソンが決めた。この特別な公演は、間違いなくバンドの歴史に残るだろう。

英国のバンドとファンにとって残念なことに、アイアン・メイデンはアンコールの3曲、すなわち「Aces High」「Fear of the Dark」「Wasted Years」を演奏できなかった。大きな失望とほろ苦い幕切れとなったものの、アイアン・メイデンは躍動感あふれる練り上げられたセットを披露し、数々の伝説的なヒット曲にも敬意を表した。また、この月曜夜、パリ・ラ・デファンス・アリーナでひときわ熱気に包まれていたアイアン・メイデンのファンの忍耐強さと寛大さも特筆に値する。

アイアン・メイデン、パリ・ラ・デファンス・アリーナ公演(2026年6月22日)のセットリスト:

ラ・モルグ街の殺人
ラスチャイルド
キラーズ
オペラ座の怪人
魔力の刻印
インフィニット・ドリームズ
パワースレイヴ
明日なき戦い(停電のため最後まで演奏されず)
古代船乗りの詩
誇り高き戦い
第七の予言
明日なき戦い
ホーリー・スモーク
鋼鉄の処女 

 
 

 

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