パリで本物の日本食を 食べたければ、それなりの値段を払わなければならないのは周知の事実だ。 サン・ジェルマン・デ・プレから目と鼻の先にある「ブルーベリー・マキ・バー 」もその例外ではなく、アラカルトの値段は近所の日本食レストランよりも高いだろう。
毎週寿司を食べるよりも、たまにはブルーベリーのような 素晴らしい日本食レストランで昼食をとり、真の日本の美食を再発見した方がいいのではないだろうか。
マリー=ローナ&フローレンス・ヴァコンサン姉妹が2013年にオープンした「ブルーベリー・マキ・バー」は、驚きの飲茶が味わえる「スチーム・バー」や近くのイタリアンレストラン「マルチェッロ」も経営する、 パリでもトップクラスの 日本食レストランだ。
青みがかったネオンから赤みがかった吊り下げ照明まで、『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を連想させる、ウォン・カーウァイ監督の最高傑作にふさわしい東京の雰囲気の中で、ブルーベリー・マキ・バーは、最近料理長に就任したアルベルト・フーロン・シェフのあらゆる実験が行われる場所だ。
ブルーベリーで古典的な巻物を期待してはいけない。ここの巻物は、味が完璧にマッチし、盛り付けも綿密に考えられた、まさに宝石だ。今やこの日本食レストランを代表する巻物には、ラッカム・ル・ルージュ(マグロのマリネ、トリュフ、海老の天ぷら、6個入り23ユーロ)やトランス・シベリア(ズワイガニ、海老、いくら、リンゴ、グレープフルーツ、ディル、6個入り27ユーロ)などがある。
サーモン、みかん、ビーツの新芽、キャベツ、コリアンダー、ティムールベリー、そしてみかんポン酢を使ったアキ巻き(6本で15ユーロ)で大発見をした!-この日は、評判通り脂ののったトロマグロの巻物だった。
刺身、巻物、野菜の天ぷら、卵の醤油漬け、トビコなど、伝統的な料理の数々を、新鮮な野菜、メスルン、酢飯、柑橘類のドレッシングとともに同じ皿で楽しむことができる。
野菜の天ぷらに魅了された私たちは、サツマイモ、ブロッコリー、大葉、海老などの野菜を軽くパン粉で揚げた盛り合わせ(21ユーロ)を選び、サーモン、マグロ、鯛といった最高級の魚を最もシンプルな刺身にしたミックスちらし(29ユーロ)を選んだ。
車を走らせる前に、パティシエのマリアンヌ・キハダによる餅を試してみよう。黒ゴマ餅と マンゴー・パッション・コリアンダー・グレーズド餅(ともに8ユーロ)は、どちらもかなりクラシックだが、丁寧に作られている。季節の餅(ともに10ユーロ)には、その名も「ポワール・アン・キモノ」。ポーチされた洋梨は中までとろけ、光のスーツのような餅生地に包まれている。
ブルーベリー・マキ・バーのメニューのいたるところに、そのクオリティがある。本物の日本食を体験することをお勧めしたい。































